スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

台湾と日本の標語や広告のリズム感

 勤務校の静宜大学は、ご覧のように、台湾の中でもバイク通学が多い大学です。

20160815-1.jpg

 毎年100人くらいの、バイク事故によるけが人が出て、一人、二人の死者も出ます。それでも、台湾の学生はバイク通学を止めません。私が住んでいるアパートから大学まで700メートルか800メートルしかないのですが、殆どの学生がバイクで通学しています。
 それで、駐輪場の入り口には、このような標語が貼られているのです。

20160815-2.jpg

 「騎車慢一點、安全多一點」の意味は、「バイクをちょっとゆっくり運転すれば、安全はちょっと多くなる」です。「騎馬」と同じように「騎車」は、バイクに乗ること、バイクを運転することを意味しています。

 他方、日本語では、「狭い日本 そんなに急いで どこへ行く」ですとか、「飛び出すな 車は急に 止まれない」(走って路に飛び出してはだめよ、車は急には止まれないんだから)のように、「5、7、5」文字のリズムをベースとした標語が多いのですが、中国語では、上の「騎車慢一點、安全多一點」のように、対句形式が多くみられます。

 新年や、新築の家には、玄関の左右に、めでたい言葉の対句「對聯(対連)」が掲げられますし、選挙事務所の前にも、「對聯」が貼られます。

20160815-4(2).jpg

 消費者にアピールする広告にも、対句が使われます。例えば、セブンイレブンに貼られたアイスクリームの広告ですが、「甜在嘴裡、暖在心裡」とあって、「甘い物が口の中にあれば 暖かさが心の中にある」という、ソフトクリームの広告です。

20160815-3.jpg

 でも、「ぽかぽか価格 全品5元引きですよ!」というこのこのポスターが貼られていたのは、1月14日から27日という、冬のさなかでした。日本なら、暖房の効いた部屋でアイスクリームを食べる、というのは魅力的ですけど、台湾には暖房がありませんから、冬は基本的に寒いです。アイスクリームを食べて、「甜在嘴裡、暖在心裡」というのには、ちょっと無理があるように思いますね。ですので、このポスターは一冬で消えました。 

 下は静宜大学の学生食堂にあるフルーツショップです。基本的には果物一個一個を売るのではなく、その場で切った果物を売っています。
 
20160815-4.jpg

 「全宏商行」というその果物屋さんの下には、このような惹句が記されています。
「想吃水果(Guǒ)、就來找我(Wǒ)」(果物が食べたいと想ったら、直ぐ私を訪ねてきてね)と、脚韻を踏み、「常常吃營養 天天吃健康」と意味的にも対にしています。

 このように、中国語では、対句(のようなもの)を常に見ますので、学生達も簡単に作ってしまいます。下は昨年のカラオケ大会・「紅白歌合戦」のポスターです。「白雪飄散〈Sàn〉」と「緋紅合戰〈zhàn〉」とで、意味と音とで対を為しています。

20160815-6.jpg

 実は、私は本当の「対句」がどうあらねばならないのか、細かくは解りません。けれども、上に上げた台湾の例は、いずれも「対句」をなすことを意識して作られた句です。
 他方日本人の学生は、子供の頃から「火の用心 マッチ1本 火事のもと」のような標語などに慣れ、芭蕉や一茶の有名な句は人口に膾炙されていて、「5、7、5」のリズムが体に入っていますから、川柳や俳句を作ることも、比較的自然にできます。ですが、台湾の学生達にとって、日本語の「5、7、5」は全然なじみのないリズムです。ですから「俳句を作る」ということは、とても難儀なことだと思うのです。
 けれども、花城先生を中心に高雄の義守大学が主催する「全国大学高専俳句コンクール」が、台湾でもう7年も続いているのは、素晴らしいことだと思います。

コメントの投稿

非公開コメント

アクセスカウンター
プロフィール

濱屋方子

Author:濱屋方子
FC2ブログへようこそ!

濱屋方子の書籍紹介
日本語における「挨拶」の諸相
   日本語における
  「挨拶」の諸相
副詞・摘み草
   副詞・摘み草
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。